スタンダード分析 St.Thomas

今回は黒本1より『St.Thomas』を分析。

「St.」セントだとかセイントだとか読むらしい。
Sonny Rollins作曲で、名盤『サキソフォン・コロッサス』(1956)に収録されている。
実際にはイングランドの伝承歌『The Lincolnshire Poacher』に基づくものがヴァージン諸島で子守唄に変容し、ロリンズの母親が歌って聞かせたものが元となっているという。
ジャズにカリプソのリズムが登場したのはおそらくこれが初めてと言われており、陽気なカリブ海の風味が全開である。

 

早速分析してみる。

非常にシンプルで学習にぴったり。

・調性に解釈の余地がなく、まぎれもなくC Major

・ほぼダイアトニックに加え、Ⅵ7というよくあるセカンダリドミナントが頻出

・黒本にはサブドミナントマイナー代理コードをインサートするアレンジが書かれている(B♭7、A♭7)

 

ソロ用は以下のパターンが掲載されていた。

・ⅡⅤはⅡを省略したり、ⅤにⅡを挿入したりはかなり自由に出来るアレンジで、ソロしやすいようにその辺りが整理されている

 

名演

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原曲。

Max Roachのドラムが印象的。そして、お手本のようなロリンズのソロ。

 

  • Michel Camilo

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現代ラテン代表格のカミロなだけあって流石。

本物のラテンフレーバーを感じさせるタイムとフィールは絶品。

 

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豪華な巨匠トリオによるもの。

高級な空気感の演出が本当に素晴らしい。

 

Joshua Redman / Brian Blade / Christian McBride / Brad Mehldau

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現代最強の面子。全員凄すぎる。

メルドーはこんな陽気な曲でも異次元を作るなあ。